2011年10月29日土曜日

エピクテートス 00 はじめに




はじめに


岩波文庫の中に、エピクテートス(鹿野治助訳)の『人生談義』()という本が入っている。この下巻の「三、提要」の部分を切り取って、私はこれをずっと熟読してきた。繰り返し読むにつれ、エピクテートス師は偉大なヨーギンだったなあと、つくづく思った。この「提要」を読み直す機会があったので、私の感じたところの一端をメモ程度に記して、ご参考に供したい。各ページの左半分に鹿野治助師の訳を私流の区切り方で掲げさせて頂き、同じページ(カード)の右半分に、原訳文の「まとめ」とその下に「小解」をのせてみた。スペースの関係で「小解」は文字通りの短文にならざるを得なかった。私たちは心で思い感じたことを体で表現活動するが、心を大ざっぱに分けると感情と思考の2種になる。エピクテートス師の教えを読んでいると、感情的衝動をどのように思考で制御(コントロール)するか、という技法(テクニーク)が特色になっていることがわかる。それで、エピクテートス師の教えにメンタル・ヨーガというタイトルを付してみた次第。内容的には、識別智のヨーガと言ってもよいだろう。エピクテートス師は、かつては奴隷の身であったとのことが、その体験が、いぶし銀のように光っているのが感じられる。メンタル・ヨーガ、つまり、自分の感情的浅薄さを、識別という思考力でコントロールし続けるのは、実に根気のいる修行である。しかし、識別に識別を積み重ねていくことにより、自分の意識を感情の奴隷状態から解放することができ、思考の監視からも離脱し、ついには魂の自由、すなわち解脱に至ることができる。本当の奴隷から解脱者になったエピクテートス師に、私たちも忍耐強く参学しよう。

エピクテートスの参考資料



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