2011年12月9日金曜日

kriyat02 有根身・末梢神経から背骨・中枢神経集中へ


!!クリヤー・ヨーガ kriyA-yoga の実修に入る前に『ハた・ヨーガ・プラディーピカー haTha-yoga-pradIpikA』1章2章の実修が必要です!!勝手にクリヤー・ヨーガ kriyA-yoga だけを実修して心身の不調に陥っても、当教材の提供者は責任を負いかねますのでご注意ください!!

第2章 有根身・末梢神経から背骨・中枢神経集中へ


[A 脊髄脳へ]



http://youtu.be/0TWxn6y9qU0

ここからが具体的な修行の始まりです。ぼくたちのほとんどがアーサナ Asana から始めてきていますので、それを利用してクリヤーを深めていこうということです。意識をめぐらすその体を扱うのがハた・ヨーガ HhaTha-yoga の部門です。アーサナをしながら、末梢神経から脊髄(中枢)神経へ集中していく。末梢神経から、まず脊髄という中枢神経へ集中していくというふうに、気をつけてアーサナをやらないと、アーサナを 20 年やろうと 30 年やろうと、ヨーガ行は深まりません。どんなアーサナをしようとも、末梢神経から脊髄中枢神経へ意識を集中していく方向性で実践していくなら、ハた・ヨーガのアーサナも価値があると思います。そのあとのラージャ・ヨーガ、クリヤー・ヨーガのだーラナー dhAraNA 覚触につながっていきますので。

背骨というよりも、背骨の中の脊髄を流れている神経エネルギーの流れへ意識を向けていくのです。そこまでいくとハた・ヨーガになっていきます。背骨のかっこうがどうのこうのという問題ではありません。ぼくが言っているのは、そういう形の背骨をつくったとき、神経エネルギーがどう流れ変化して、そのとき頭で何を考えたかに着目しないとハた・ヨーガにならないということです。ハた HhaTha = 陽・陰という異なるエネルギーの流れがどのように調和して、あるいは反発しあって流れて、そのとき自分の感情思考にどのような変化が生じたかに気づく、そこまでいってハた・ヨーガなのです。

そのためにはこれからするアーサナをしたあと、背骨の中の脊髄中枢神経に意識を集めていって、そのあと静まったときにどのような感情思考の変化が起きるのか、それに気づくという行をしないといけないのです。脊髄脳でどのように神経エネルギーが活動しているのか、それに気づくこと、そこからがヨーガ修行の始まりです。

ですからどんな時でもそこに注意を向けることができる人は、いつでもヨーガ修行をしているのです。こうしておしゃべりをしているときにも、脊髄そして脳でぼくが何を感受したり考えているのか、気づいているかどうかなのです。たとえばせきをしている人がいて、かぜを引いている人が多いなあとか、頭の中で考えながら今これを説明しているでしょう。そうすると自分の言いたいことが内から出てくるのと、耳という感覚器官を通じてとらえた音を第六識が判断しているのが絡み合っています。いろんなことが起きているのに気づきながら、集中すべきことに意識を集中することによって、第六識で考えたことを口を通じて表現できるわけです。外から受け入れたものは一応覚触(かくそく)しておいて、自分で表現したいと思ったことを正しく守っていく正念をしながら、テーマからハズレないということをいつでもできるなら、それはだーラナー覚触しているのと同じです。静かにだーラナーするだけではなく、話したり食事をしながらでも、いつでもだーラナー覚触はできるし、またしなければいけないのです。そうできたなら、朝から晩までいつでも修行です。特別静かに坐らなくても、いつでも修行、だーラナー覚触なのです。

では、ジャーヌ・しールシャーサナ jAnu-zIrSa-Asana から始めて、段々マハー・ムドラー mahA-mudrA に仕上げていきましょう。マハー・ムドラーについては、すでに2本のビデオができていますので、それらで学んでください。今回は前のものよりも簡単なテクニークを用いて、脊髄という中枢神経に意識を集めていき、最終的にもっと短時間で第六識でのだーラナー覚触に入っていける方法を、講義の合間にします。脊髄に意識を合わせた後、The Eternal Om (1; 2) というテープをかけますから、その音を自分の脊髄に響かせるように聞いてください。音を聞いて自分の脊髄を意識する、脊髄に集中する行をして、アーサナからだーラナー覚触への第一歩を始めたいと思います。






[B アーサナ1]



http://youtu.be/hd253eXxaPs

どちらかの脚を一本伸ばします。左脚から伸ばしていきますが、右脚からしたい人はぼくの言葉を逆転させてください。左脚を伸ばしてリラックスさせてください。当然、左のほうに倒れますね。正面を向いている人は、よほど緊張性(しょう)の方ですからお気をつけください。力を抜いていたらひざは少し曲がって、脚はパタンと倒れるでしょう。どれぐらいの角度かは人によって違います。股(こ)関節からひざ関節、そして足首の固さによって違ってきますが、基本的にはパタンと倒れるほうがいいのです。必要なときには倒れるし、緊張させて手前に引いてくださいと言われたら、手で引っ張らなくても足先が手前にくるように緊張もできるし、それからリラックスもできるようにならないといけません。

そうしたら体を少し前に倒して、最初は足の親趾(ゆび)と小趾(ゆび)をつかみます。足の親趾は右手の何本かの指でつかんで、左手の人差し指を足の小趾にかける形をとります。息をすいながら足先を手前に引っ張るのと、息をはきながらゆるめるのを何回か繰り返します。息をすいながら緊張させ、息をはきながらゆるめていきます。マイペースで自分の息の長さに合わせて、何回か繰り返します。それに集中し、それ以外のことは覚触します……これも何回かやればいいことで、つぎ息をはきながら前に倒れていくときには、手の交叉(こうさ)を作っていってください。そして前曲げしたときには、よく足先を引っぱってあごを引いて背中を丸くし、その後息をすいながら前に倒れていってそり上がっていく。

そうしながら背中の中心である背骨に意識を合わせていくというふうにして、前曲げとそり上げをしてください。自分の背骨が前に曲がった形になったり、それからそり上がった形になったり、背骨の変化に気をつけながら、背中の中心である背骨に意識を合わせていきます……これぐらいでいいという人は、前に倒れていったなら、手を持ち変えても、今のかっこうでも、息をすうときに手前に引っぱるのと、息をはくときにゆるめるのを繰り返しながら、脚の裏全体と背骨によけい意識を持っていきます。とにかく背骨に意識を集めていくようにしたら、一番いいのです……

何回か繰り返して、もういいという人は脚もリラックスしてかまいませんが、背骨に意識を集めたまま自分の呼吸を観察してみてください。肉体的には背骨に意識を合わせたまま、そうして今息をすっているのか、息をはいているのかを見失わないように背骨に意識を向けておきます……だいぶリラックスできたと思う人は、息をすいながら体を起こしていって、両ひざに手をおいてリラックスしたまま、背骨に意識を置いておきます。息を観察してくださってもけっこうですが、背骨に意識を置いておきます。さてそこから伸びている左脚を折っていって、任意の坐法をしてください。背骨に意識を合わせておいて、しばらく息が静まるのを待ちます。左側をしたあとすぐ右側をしなくてもけっこうです。背骨に意識を合わせて、今の前曲げとそり上げを行なった結果、体の筋肉も、それから特に神経組織全体が、何がしか波立っているのですね。それが静まるのを待つのです。

静まるのを待つ間、背骨に意識を合わせておくということ。もう背骨に充分意識がいっている人は、末梢神経、つまり皆さんの脚とか手を動かしていた末梢神経よりも、脊髄という中枢神経のほうに、より意識とプラーナ prANa が集まって行っているはずです。頭での思いに気づくためには、末梢神経とそれに関係ある手・腕・足・脚という有根身(=肉体)の変化にわずらわされないことが大事です。じっとして坐っていられない人は、肉体に起きた反応に気をとられて、ほんとうに気になるわけですね。それを捨てていって、背骨をなぞるようにして意識を上げていって、頭の中心あたりに意識を持っていってみます。いつでも自分が何を考えているかに気づける人は、背骨を意識しなくて直接頭に意識を持っていけると思います。

そういうことをできにくい人たちは息をすいながら、おおざっぱでけっこうですから、背骨ぞいに意識を上げていって、勁椎(けいつい)から頭の中心に入って、頭のてっぺんまで持っていってもけっこうです。息をはきながら頭のてっぺんのほうから、息を背骨ぞいにおろしていきます。何回か背骨を通じて意識を上げ下げすると、だいぶ末梢神経から脊髄という中枢神経に集まっていきます。そのあと適当なところで、息をすったあとで頭の中心あたりに意識を止めておいて、静かな呼吸を繰り返せば、脊髄から頭に簡単に意識が移っていきます。今は頭での覚触よりも、脊髄に意識を合わせるということが主要テー マですから、頭でのだーラナー覚触はもう少しあとに回すことにします。

[C アーサナ2]



http://youtu.be/NUVSwIoUl10

今度は右脚を伸ばしていって、右脚伸展のジャーヌ・しールシャーサナをします。足先の引っぱりとゆるめをしてもいいし、最初から手の交叉を作ってもけっこうですから、自分でやりやすいように、前曲げ・そり上げのジャーヌ・しールシャーサナに入ってください。自分の息に合わせて気持ちよく、疲れが取れて、新たな生気がわいてくるというふうに工夫してみてください。2〜3分お好きなようにしてください……そろそろ起きたくなった人は、起きていったら両ひざに手を置いて、右脚をリラックスさせたまま、息と体が静まるのをお待ちください……脚を組みたくなった人は任意の坐法を組んで、肉体的には背骨に意識を集めながら意識の上げ下げをするとか、息の観察をするとか、身心が静まるのをお待ちください。身心が静まるから、よけい脊髄脳という中枢神経への集中ができるのです。体・息・心、全部が静まることによって、明晰(めいせき)な集中力が生まれてきます。中枢神経に対する集中力が生まれてきます。

では脊髄に対する OM の音を聞きながらの1回目の集中を行なってみます。OM の音を聞きながら今は主に脊髄に意識を合わせ、そこに OM の音が響いているようにイメージします。イメージするだけではなく、実際に OM のヴァイブレイションが脊髄に響くように集中してみてください。段々 OM の響きが自分の背骨に本当にこだまするような感じになるよう、もうしばらく一心集中=だーラナーを続けてください。この OM の音が、本当に背骨に響いているのを知覚できるまで集中することです。

…………つぎに息をはく段になったら、力を抜いて前かがみになってください。脚もくずして、両脚を前に伸ばし、前かがみになってリラックスしておいてください……この音に集中できて、背骨にそれを響かせることができた人は、たぶん快感をおぼえたはずです。こういう単調なものが気持ちよくなるというのは、集中できたときだけなのです。集中できてないと、単調なことはあきてくるのです。集中力のある人にとっては、マントラもそうなのですが、単調なものほど深まるのです。集中力のない人にとっては、いろんなマントラを唱えないといけなくなってくるのです。ですから、単純なものに深く集中できるという能力を培(つちか)っていかなければいけません

では両足の親趾を2本ないし3本の指でつかんで、また引っぱりとゆるめを始めてください。息をすったときに手前に引っぱるのと、息をはいたと きにゆるめるのを繰り返して、それからパしチモーッターナ pazcima-uttAna の形を利用した前曲げとそり上げに入って、意識を背骨に集めていきます……何をするのでも皆さんの脳から脊髄に命令がくだって、その脊髄から末梢神経に命令がくだって、皆さんは手を用いて足を引っぱったりゆるめたりしている。瞑想に行くためには、その逆の過程をとるということです。末梢神経から脊髄へ、脊髄から脳へと逆流させていきます。遠心的なものと求心的なものを巧みに利用して、最終的に脳に集中していくという原理をよくのみこんでおいてください。

もういいという人はゆるめて、リラックスしてから体を起こしていって、一呼吸か二呼吸してから、任意の坐法を組んでください。そして息をすうときには背骨ぞいに意識を上げ、息をはくときには背骨ぞいに下ろしていくようにして、背骨に意識を合わせておきます。そこからまた OM の響きを聞きながら、先ほどと同じ脊髄に OM を響かせるという行をします。それではまた OM のテープをかけますので、なるべく脊髄に実際に響くように集中・知覚してみてください…


音量を下げていきますが、OM が響いていると思って自分の背骨になお意識を合わせておいて、今度は SO(ソー)'HAM(ハン)のマントラで行ないます。呼吸に合わせて息をすったときに SO(ソー)で背骨の下から上に意識を上げて、HAM(ハン)で息をはきながら頭のてっぺんから背骨を下りていきます。またソーで尾骨末端から背骨を上っていって、勁椎(けいつい)を通って頭のてっぺんまでいったと思ってください。ハンで頭のてっぺんから勁椎を通って背骨ぞいに意識を下ろしてやります。息をすったときにはソー、息をは いたときにはハンと、背骨に自分で唱えるマントラを響かせていってください。しばらくどうぞ……そうすると、SO(ソー)の O オー と HAM(ハン)の M ム(ン)で OM オームになるとわかってくるでしょう。